林檎

油絵「林檎」2019年
Ｆ０号、18.0×14.0、キャンバス、油絵、額なし、画像の額はイメージです）
　林檎は古い物語にも登場するどこか神秘的な存在。
テーブルの上に無造作に置かれた林檎。私にはただそこにあるだけで微笑ましい存在。
白いキャンバスの上に油絵具を薄く塗り、乾燥を待ってまた薄く重ねる。数層繰り返してできた画面をニードルで軽くスクラッチしてゆく。
剥ぎとられた色彩は淡く、その周りに不思議な空気をまとってゆく。
一度目を終えたら再度淡い色彩で薄く重ね、乾燥を待つて作業を繰り返す。
やがて林檎は薄いヴェールを通り抜けたような柔らかな光に包まれる。
単調な色彩は柔らかな空気に溶け込み、それは私の中でSpiritualityな空間へと変容する。
作者：赤木義光