いい ちいさな ものづくり

貴族に愛されてきた刺繍「絽ざし」を、わたしたちの日常の楽しみに。marikoriが提案する伝統工芸のアクセサリー

ー作り手

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幾何学的で複雑な模様に、きのこやパンダなどかわいらしいモチーフまで。そこに複数の色を取り合わせ、他にはない雰囲気をまとうmarikoriさんのアクセサリー。

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こちらは1200年の歴史をもつ伝統工芸の「絽ざし」という刺繍を用いて作られています。元は中国の三大刺繍の一つだったものが奈良時代に伝来したと言われており、光沢のある絹糸を贅沢に使ってできた品々はその存在感と美しさから高貴な人々に大変好まれたそうです。

ただ、職人により技術を磨いて発展してきた日本刺繍と違い、公家の娘たちが手遊びとして趣味的に伝えられてきたため、一般的に知られる機会が少なかったとのこと。今も和装や和小物を扱う専門店でも商品を見かけることは稀のようです。

今回ご紹介するのは、そんな絽ざしの美しさと歴史の奥深さに魅了されたmarikoriさんが展開するアクセサリーブランドです。

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とてもシンプルなデザインなのに、色の取り合わせの妙でカジュアルにもフォーマルにもなります。

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お揃いのブローチとイヤリング。こちらはお客様の好みに合わせたオーダーメイドのもの。お洒落の幅が広がりそうですね。

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パンダの親子がデザインされたブローチ。かわいさ満点です!

ーものがたり


marikoriさんはもともとビーズショップにお勤めされていて、商品のデザインや仕入、販売だけでなく講師も務めるなど、アクセサリーに関した幅広い業務に長く携わっていらっしゃいました。


そこでもやりがいを感じられていたそうですが、この経験を活かし、自分が理想とするアクセサリーを追求するべく、2011年に「marikori」をスタートさせました。
ビーズショップで磨かれた良い物を見分ける目を活かして、選び抜いた天然石やガラスビーズのアクセサリーと伝統刺繡である絽ざしのアクセサリーを展開されています。


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絽ざしの奥深さに魅了されて以来、先生に就いて勉強され、師範資格も取得されたそうです。ご自身のブランドを立ち上げた現在も、先生への師事を続けながら日々学び、展覧会にも出品するなど、並々ならぬ努力をしていらっしゃいます。

伝統的な美しさを後世に受け継ぎ作り続けるためには、一般の方々に知られる必要がある。楽しみながら、自然に生活の一部に取り込んでもらいたい。marikoriさんはそう考えていらっしゃるそうです。

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この美しい伝統刺繍をもっと身近に楽しんでいただければ…という思いから、ブローチやピアスなどの絽ざしアクセサリー制作に取り組んでいます。絽ざしを知ってくださるお客さまも少しずつ増えてきて、とても嬉しく思っています。 希少なアクセサリーとして、また伝統文化の一端としてお楽しみいただければと思います。

カーディガンのボタンのように使用したブローチ。コーディネートのアクセントになっていますね。

見るも鮮やかな絽ざし、さぞかし難しい技法で作られるのだろうと思ったところ、お伺いすると「とてもシンプル」だそうです。

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まず、四角い木枠に絽布という夏用の着物生地を張り、絽ざし専用の絹糸で刺し埋めていきます。
絽の目から目に一定方向に刺す技法で、連続模様も絵画のような図柄も表現できるそうです。

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技法がシンプルなだけにごまかしがききません。だからこそ探究し続けられるのかもしれません。

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絽布に巻きつけるように糸を刺すことで、裏面にも糸が渡りとても丈夫になるそうです。
marikoriさんが作るピアスやイヤリングは台座などを使わずに仕立てるため、重さは1g程度。軽くて丈夫なアクセサリーは嬉しいですね。

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伝統的な文様から、オリジナルのモチーフまで様々なデザインのブローチ。落ち着いた優しい色合わせでほっこりします。
連続したパターンから生まれる美しさは、小さな作品でも深い世界観を感じられます。

marikoriさんの図案は古典的な凛としたものから、現代風のかわいらしいものまで幅広く考案されていますが、色合いの美しさを最大限に表現することには特にこだわりをもっているとのこと。

納得いくまで何度も修正を重ね、これだと思える色合わせを探します。
色とりどりの絹糸やビーズを組み合わせ、絵の具のように色が混ざり合う瞬間をアクセサリーにしたいと思っています。

色彩の豊かさに感情が揺さぶられるのは、奈良時代の人も同じだったのかもしれません。

ー想い

ひと針、ひと針刺していく。単純な作業だけれども一つの作品を仕上げるには途方もない時間がかかる絽ざし。根気よく最後のひと針まで美しく刺すのは容易なことではありません。
それゆえ、刺す人の心があらわれてしまう、ちょっと緊張感ある工芸ともいえそうです。

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師範について学び、素晴らしい作品を数多く見てきたmarikoriさん。この経験で自分の目を養い、絽ざしの美なるものを自分のうちに消化してきたからこそ、1200年続く伝統工芸の絽ざしにmarikoriさんらしさが生まれてきたのでしょう。



絽ざしアクセサリーは日本の伝統模様も刺しますし、marikoriオリジナル柄も多くデザインしています。またミニ額装品や身の回りの小物など、色々なシーンで楽しめるアイテムも制作しています。
伝統を大切に、また時代に合わせて継承していかれるよう、制作に取り組んでいきたいと思います。

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こうしてできたmarikoriさんの唯一無二の絽ざしアクセサリー。希少な伝統工芸を、気負うことなく軽やかに日常に取り入れてみませんか?


ー作り手情報

2021年4月1日


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