プロフィール
手紡ぎ糸と、手紡ぎ糸を使った製品を販売しております。
宵市の糸は、全て手回しの紡ぎ独楽で紡いでおります。
少しずつ少しずつ、糸の撚り加減や微妙な表情に触れながら、原毛のもつ魅力を一分も見逃すことがないように丁寧に糸を生み出しています。
原毛は一部を除き、国産の羊毛を使用しております。
北海道をはじめ日本各地の牧場様から直接、または間接的に仕入れた羊毛は、どれもたいへん美しく、可愛く愛しいものばかりです。
お迎えした毛刈りをされたままの羊毛(Raw fleece)は基本的にお湯だけで丁寧に洗います。汚れが強いものは、必要に応じて純せっけんを使います。お湯だけで洗うのは、洗毛による自然環境への負荷をなるべく減らすため、そして原毛の輝くような生命力をできる限り糸に繋ぐためです。お湯だけで洗った原毛には、洗剤や薬品を使ってクリーニングされた原毛よりも多くの脂分が残ります。このため、こうした原毛や糸に触れると、しっとりと脂分を感じます。この脂分は、精製されますとラノリンという、保湿クリームなどにも使われる成分になるものです。繊維にこの脂分の被膜があることで、肌触りがよりマイルドになり、また風を通しにくくなるので保温性の向上にも繋がります。
汚れを落とした原毛は、活き活きとした房のまま「野良糸」に紡いだり、一房ずつ櫛を通して(コーミング)整えて梳毛糸やセミ梳毛糸に紡いだり、カーディングしてふんわり空気を含んだ紡毛糸に紡ぎます。
羊の力を残した原毛を、手回しの紡ぎ独楽で紡ぐことで、紡ぎ手の想いも乗せて糸にはますますいのちが宿ると考えています。
紡がれるスピードはゆっくりですが、その分糸の隅々まで紡ぎ手の心を注ぐことができます。
いのちを纏った糸、それから作られる布地は、心と体に温もりを届けることができます。それはそのまま、愛と言い換えることもできるでしょう
一本一本の糸に込めた愛と共に、羊たちの煌めく生命力を感じていただけましたら幸いです。
*糸について*
糸は、基本的に綛の状態でお届けいたします。ご希望がございましたら玉巻にいたしますので、ご注文時に備考欄にてお申し付けください。
糸の太さは、WPI(Wrap Per Inch)で表しております。数値が低いほど、太い糸となります。
WPIの値と日本での糸の太さの関係は、以下の通りです。WPIは測り方にもよりますので、あくまでざっくりとした目安としてお考えください。
WPI=6以下 → 超極太
WPI=7〜8 → 極太
WPI=9〜13 → 並太
WPI=14〜18 →合太
WPI=19〜24 →中細
WPI=25〜34 →合細
WPI=35以上 →極細
特に注意書きが無い場合は、2plyも3plyもS撚りです。
※紡ぎ独楽と紡ぎ道具は、紡ぐ手 宵市(紡ぎ道具)でご覧ください。
※別サイトでも販売しておりますので、同時にご注文いただいた場合、恐れ入りますがキャンセルをさせていただくことがございます。
何卒ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。