• ○サイズについて  横巾 約28cm x 縦 約41cm(本体部分:23cm、持ち手部分:18cm)   <平置きで計測しています> なお、丸底の直径は約17cmです。
  • 図柄のアップです。
  • 内側を撮影しています。内ポケット(幅約13cm 深さ約13cm)が一つついています。
  • 持ち手のアップです。巾2.5cm

丸底ちびバッグ ベニテングタケ・・・父の思い出

¥14,600
在庫数:1

お知らせ

・気ままに自由に一つ一つ編んでおりますのでオーダーは受けておりません。
・新作は毎月1日の午前0時にアップします。
・ご注文をいただいた時や作品の感想などをお寄せいただいた時などのお返事はその日のうちにお送りするようにしておりますが、平日の場合、夜遅めになることがございます。あしからずご了承くださいませ。
・すべて手作業のため、ニットの作品は編み地が不揃いになったりします。また刺しゅうの目も不揃いになったりします。ご容赦ください。
・作品が初期の不良品であった場合を除き、お客様のご都合による返…

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 小学生の頃、キノコが大好きだった。今でも、キノコは大好きだけど(なめことか、シイタケとか、エリンギとか、舞茸とか、しめじとかエノキとか食用ですが・笑)、小学生の頃に、同級生の間でキノコ探しが流行ったことがある。特に憧れだったのが、アミガサタケと、ホコリタケ、ツチグリ。同級生の何人かで探し回ったけどなかった。父が、春は、山菜採り、秋は、キノコ狩りが趣味だったので、よく散策の時に、父について歩いて、アミガサタケと、ホコリタケと、ツチグリを探しまわったのだけどなくて、よく見かけたのがベニテングタケなのです。毒があると知っていても、子どもながらにとても綺麗だと思ってじっと観察した。ベニテングタケを父と見つけて、私がベニテングタケを引っこ抜こうとすると、父が「毒があるから触るな!」と言っていたなぁ。触るぐらいで何かあるわけでもないのに、、、。子どもの頃は父とよく野山を探索した。動植物に詳しかった父。弟は、自然に興味がなかったから、何にでも興味を示す私を、散策に連れて行ったのだろう。ふきのとうの食べ頃を教えてくれたのも父。ふきのとうの季節になると、必ず私に取りに行かせた。庭には、茗荷も植えていて、夏の、休日の昼食の、麺類の薬味が欲しくなると、私に取りに行かせた。二十日大根や、にんじん、ネギ、ジャガイモ、アスパラガス、トウモロコシ、きゅうり、なす、トマトも植えていた。我が家では、納豆に、大根おろしを入れて食べるのが、私の大のお気に入りだったから、二十日大根が育つと、朝食の納豆用に、これまた私に取りに行かせた(この家庭菜園の野菜の手入れは父と私の担当だった)。
 満州からの引き揚げ者である父は、引き揚げ途中で母と下の妹を発疹チフスで亡くし、上の妹と二人っきりで命からがら引き揚げてきた。父の父(私の祖父)は、シベリアに抑留されていて、祖父が日本に帰国するまでは、祖父の弟の家族にお世話になって、祖父が帰国してからは、祖父が再婚するまで、祖父と父、父の妹の、親子三人で暮らしていた。大人の女手がなかったから、家事は父が担当していた。そのため、料理も、掃除も、洗濯も、父が担当していたそうだ。そのせいか、我が家では、父が家事をするのは当たり前のことで、私は、そのことを何の疑問も思わずに育った(そういう父を持ったせいか、私の夫も、料理・掃除・洗濯なんでもこなすのが当たり前で、私より得意な料理もある)。
 父の料理というのが、雪国の人らしく味付けが塩っ辛いのだけど、そして、お世辞にもおいしいとは言えないのだけど、カレーも、ルウを使わずに、カレー粉でカレーを作っていた。玉ねぎを飴色になるまで炒めていたのと、バターで薄力粉を炒めていたのを、断片的に覚えている。このカレーがまたまずくて、父がカレーを作ると聞くと、がっかりしたものだ。ラーメンも、煮干や、出汁昆布や、野菜くずや、なまり節など入れて、和風の出汁で作っていたなぁ。
 父は、中学の数学の教師だったのだけど、「教育は食育である」という信念の持ち主で、出汁も「ちゃんとした出汁を覚えろ」と言って、鰹節と削り器を買ってきて、私に削らせていた。削り方にはコツがあって、どうすれば、うまく削れるか、研究したなぁ。父の趣味だった春の山菜採りも、秋のキノコ狩りも、母は嫌がったのだけど、好奇心のかたまりだった私が面白がって、父の採ってくる獲物を珍しがって、「おいしいおいしい」と言って食べるものだから、父は得意げに取りに行っていた。「お前だけが喜んで食べる」と言って、父は採ってくるので、採ってきたキノコで作ったお吸い物のようなものをよく食べた。「なんでもやってみると面白っせーべ(私の住んでいた故郷の東北の方言で、なんでもやってみると面白いだろうという意味)」と言うのが口癖で、あれやこれやと手をかけてくれた。これは、血のつながりのない祖母もそうで、「なんでもやってみると面白っせーべ」と言って私にいろいろなことをやらせていた。私の、なんでも面白がるというベースを作ってくれたのは、父と祖母だった。二人とも、もう、この世の人ではないけれど、変わり者の、この私のベースを作ってくれたのは、確実にこの二人なので、本当に感謝している。この、「何でもやってみると面白いということを子どもに伝える」というのが教育の真髄ではないかと、私は、今にして思う。二人ともそういう意味では教育者だったなぁ。
 我が家は、貧乏な家だったけど、豊かな暮らしだったなぁ。子どもの頃から、絵を描くことと、本を読むことと、お話を作ることが好きだった私は、小学校二年生ぐらいになると、文学全集が欲しくなり、父に「文学全集が欲しい」と言うと、買うお金がもったいなかったらしく、祖父母の家に電話して、父の妹が使っていた、古くて紙の匂いの染み付いた文学全集を送ってもらって私に与えた。その装丁や、挿絵が美しくて、文学全集だったから、様々な物語があり、原作のダイジェスト版なので、大人になって、原作を読んで、ダイジェストするということや、文体を変えて書くということを、知らず知らずのうちに覚えていたことを知った。小学校の四年生ぐらいになると、父は教育委員会にいたから、出入りの業者の人から、断れずに買った、日本の仏像全集や、民俗学の本、中国思想史、世界の有名建築物の本、クラシックの全集などなどが我が家に、置かれていて、他に遊ぶものもないので、私は、それらを片っ端から読んで、片っ端から音楽を聴いた。それはもしかすると父の策略だったのかもしれないけど、私の想像力が並外れて強いのもそのおかげである(それが良いのか悪いのかはわからないけど)。
 子どもの頃、父から「勉強しろ」とは言われなかった。その代わり「まず自分の頭でものを考えろ」と言うのが口癖だった父。でもそれから、歳を重ね、思春期を迎え、いろんなことが起こり、父とは距離を置くようになり、憎しみに近い感情を抱くようになったけど、父が私に残した「満州からの引き揚げの記録と満州で亡くなった母の墓参り旅行」という遺言を元に、童話を書いて、満州のことをいろいろ調べて、父の後ろ姿を追いかけているうちに、父の全体像が見えてきて、父を身近に、愛情を持って、感じることができるようになった。父が生きている間に、もっと父に優しくしてあげれば良かったなぁと今にして思うけど、なんでも時がある。父にまつわる思い出・・・冬の終わりに見た自生しているネコヤナギ、、、。我が家に春を告げた、庭のハクモクレン、、、。そして、ベニテングタケ、、、。幼い時に父と野山を探検した時に見つけた、美しくて、本当に綺麗だったベニテングタケ。懐かしさと、子どもの頃のキラキラ輝いていた思い出につながること、、、。
 以前、コットンヤーンで、同じベニテングタケの巾着を作って、ネットにアップしたのですが、ウールでも作りたかった。季節ものなので、今回のネットへのアップです。私の父への感謝の思いが詰まった作品です。可愛くて、ノスタルジックな感じが出したくて作りました。今回はちびバッグです(でかバッグは、11月にアップします。モエギタケも編み込んでいます)。
 ベースはお気に入りのソフトドネガルというツイードヤーン 。3色使っています。編み込みに使用したのは、スペクトルモデム と、シェットランド、ザンビアプリント (廃番)。スペクトルモデム だけで、11色(廃盤色を含む)使っています。少々無理な編み方をしているため、多分大丈夫だと思いますが、何かにバッグが引っかかって、糸が飛び出してきた場合は、かぎ針で内側に引き抜いてください。裏地は、キノコ柄。ポッケは一つです。形を整えるために硬めの接着芯を使用しています。持ち手は、随分前にホビーラホビーレで購入したリボンを、裏から、リネンテープ で補強しています。縫い目が、ミシンの苦手な私の腕なので、超ド下手。そのため、少しお安くしています。A4サイズのファイルが頭を出して入るように持ち手を長くしています。このフォルムが自分で言うのもなんだけど可愛いです。相変わらずミシンとお裁縫が苦手な私の腕と、高い材料費を考慮した価格設定です。また、バッグ本体と裏地は、手縫いで縫い合わせています。万が一、解けてしまった場合、お客様の方で縫い合わせ可能だと思いますが、送料はいただきますが、当方での縫い合わせは無料です。また、メンテナンスには可能な限り対応いたしますので、何かございましたら遠慮なくご連絡ください。ただし、故意によるものには対応できません。ご容赦ください。お気に入りの作品に仕上がりました。ちょっとそこまでにも、秋のお散歩のお供にも、サブバッグにも良さげです。本来の私の好きなコテコテ編み込みバッグです。

《使用糸》 ソフトドネガル(イギリス製) ウール100%
     スペクトルモデム(廃盤色を含む) ウール100%
     シェットランド(英国羊毛100%使用) ウール100%
     ザンビアプリント (廃番)オーガニックコットン100%
《裏地》 国産コットン100%
《持ち手》 リボン(廃番) ホビーラホビーレで購入
     リネンテープ リネン100% 国産 

発送方法

送料 追跡 補償
追加送料
ゆうパック ¥0

発送までの目安

8日
・通常は、金曜日までにご入金を確認しましたら、発送準備を土曜日に行い、その翌日の日曜日に発送いたします。そのため、土曜日に確認した場合、発送までに1週間のお時間を頂戴いたします。よろしくお願いします。
・一度に複数の作品をお買い上げいただいた時は、その中で一番金額の高い送料をいただき、その他の作品の追加送料はサービスさせていただきます。その場合原則として、全体の大きさに合わせてゆうパックでお届けいたします。

ご購入の際の注意点

・気ままに自由に一つ一つ製作しておりますのでオーダーは受けておりません。
・すべて手作業のため、ニットの編み地や刺しゅうの目が不揃いになったりします。ご容赦ください。
・作品が初期の不良品であった場合を除き、お客様のご都合による返品、交換はご遠慮いただきますようお願い申し上げます。
・ギフトラッピングはお受けしておりませんが、簡単なラッピングをしてお届けします。
・通常は、金曜日までにご入金を確認しましたら、発送準備を土曜日に行い、その翌日の日曜日に発送いたします。そのため、土曜日に確認した場合、発送までに1週間のお時間を頂戴いたします。よろしくお願いします。
・一度に複数の作品をお買い上げいただいた時は、その中で一番金額の高い送料をいただき、その他の作品の追加送料はサービスさせていただきます。その場合原則として、全体の大きさに合わせてゆうパックでお届けいたします。

ショップ

こんにちは! ニット工房シークレットガーデンです。数あるショップの中から当工房を訪れてくださり本当にありがとうございます。私の好きなもの―お花、木の実、小鳥、…

ショップへの感想コメント

(164)
  • 丸底でかバッグ 夜の闇の中、もの思うビオラたちの画像
    ★★★★★ by kotokoto

    本日受け取りました。 画像よりもやはり手に取ってみると、本当に細部まで凝っているのがわかります。これから秋になり、沢山の出番があると思います。大切に使わせて頂きます。いつも素敵なバッグとラッピングをありがとうございます。

  • ポーチ たんぽぽのお花畑(霧の中バージョン)の画像
    ★★★★★ by シュウ

    たんぽぽにめぐる豊かな色彩のポーチはとてもすてきです。温かさが溢れる作品です。永末に持ち続けたいと思います。ありがとうございました。

  • 丸底バッグ たんぽぽとわたぼうし(わたぼうしをメインに)の画像
    ★★★★★

    とても丁寧に作られていて、作品への愛情を感じております。珍しい美しい糸で 花や 葉っぱが編まれていて 部屋に飾っておいても すてきな作品ですね。ありがとうございました。

  • 巾着 スミレの画像
    ★★★★★ by ree

    無事届きました。 素敵で感動致しました。 またの機会を楽しみにしてます。

  • 丸底でかバッグ たんぽぽのお花畑(原っぱバージョン)の画像
    ★★★★★

    美しいお花の切手やシールで彩られた小包 この時点でかなり嬉しいのに、包みの中には、さらに素敵なお作品が!美しい色合いの草原に、かわいいタンポポが楽しそうに咲き揃って、こちらの心まで弾んでくるようです 荷物の多い私にはありがたい大きさ お手紙もお心遣いのお品も嬉しいものでした 本当にありがとうございました

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