ペタンコパッチワークバッグ　恥ずかしがり屋のマーガレット

　パッチワークした感じに見えるバッグを、本当は、2023年2月に出品したいなぁと思って、構想を練っていたのですが、上手くいかず、2024年の1月1日、ネットにアップです。最初、野呂英作の段染め糸「くれよん」と、パピーのブリティッシュエロイカで、たんぽぽのパッチワークバッグを作ろうと思っていて、試し編みをして、クロスステッチの図案も考えていたのですが、「くれよん」のグラデーションが思ったように出てくれない上に、クロスステッチの図案が、密になりすぎて、上手くいかず挫折。で、そのままにして、2023年の秋に、近所のデパートに入っているユザワヤで、40％offでグリーン系のモヘアの入った段染め糸、ダイヤドミナを購入し、色の出方を見て、「ダイヤドミナならパッチワークで、うまい具合にグラデーションが出るかも？」と思い、デザインを始めました。「ちょっとしたパーティーにも使えるような、そして、恥ずかしがり屋さんの背中を押してくれるようなバッグがいいなぁ」と思い、バッグの大きさを、とりあえず収まり良さげな30cm四方にすることに。フォーマルにも使えるように、クロスステッチする部分は、ブラックのウールの糸にして、ステッチしない部分は、モヘアの入ったもふもふのグラデーションが出る糸がいいなぁと。でも、手持ちのダイヤドミナは、グリーン系で、イメージと違うと。「困った時のユザワヤさん」と思い、近所のデパートに入っているユザワヤに出かけました。クロスステッチする部分には、マーガレットの図案を考えていたので、ユザワヤの毛糸売り場で、「うーん」と考えて、ダイヤドミナイズムという、ダイヤモンド毛糸とユザワヤがコラボしたモヘアの入った段染め糸を眺めていたら、「これ、いけるかも？」という糸を発見。段染めの糸は、普通にウェアに使うとおばさんぽくなっちゃうけど、頭の中で、バッグの全体像を組み立てて、「よし、これでいこう！」と、とりあえず６玉を40％offで購入。早速編み始めました。グラデーションの感じも、モヘアのもふもふ感もいい感じ。一列編んでは、クロスステッチをしました。もし、私が若かったなら、もっとステッチをプラスするだろうと思ったのですが、もうすぐ還暦のおばちゃんです。シンプルで行こうと。全部のパーツを編み終えて、ドッキングしたら、やっぱりイメージ通りになりました。裏地も、リバティのロッセリーにすることに決めていたので、あとは持ち手。ここは、カフカリボン は譲れなかったので、お花つながりで、たんぽぽ柄のカフカリボン を、40mmのリネンテープ で補強して。苦手なミシンとお裁縫をダダダとこなし完成！マチはありませんが、A4の書類が、縦に、頭を少し出して入ります。ちょっとしたお呼ばれにも良さげです。
　その昔、子どもの頃は男の子と間違われるほどやんちゃだった私は、思春期の頃、引っ込み思案の、恥ずかしがり屋さんになり（そのくせ、何かやらかしては、変わっている、面白いと言われる）、そこからいつの間にか、ぶっ飛んだおばちゃんへと変貌を遂げたけど、ちょっと恥ずかしがり屋の方が、「このバッグで出かけて、気になるあの人に声をかけてみよう！勇気を出そう！」と思っていただけるようなバッグになればいいなぁと思い製作しました。一歩踏み出してみれば、「なぁんだ。思ってたほどのことでもないや。大丈夫だ！」です。私が恥ずかしがり屋だった頃（今でも本当は恥ずかしがり屋なんです！）は、小さなことを気にしていた。自分の言ったことをいつまでも悔やんだり、心の中で転がしていた。人から何か言われるといつも考え込んだ。自分がどう思われているか気になって、嫌われるのが怖くて、なかなか自分の思っていることを言えなかった。けど、後になって考えてみると大したことじゃないのです。よく父や祖母が「部分だけ見るんじゃない、全体を見ろ。何か一つのことが気になって悩んだ時には、全体を俯瞰して見ろ。悩んでいることは全体の中のごく一部分でしかない」と言っていた。そういうことなんだなぁと思う。別に気にするほどの大したことじゃないのです。でも、それがわかったのはだいぶたってからだけど。思春期真っ只中の時は、わからなかったのです。
　父（満州からの引き揚げ者・中学の数学の教師・最終職は県の教育長）と祖母（家庭裁判所の調停委員・生け花の先生）は、血のつながりがなく、周囲からは、仲が悪いと思われていたけど、本当は、似た者同士、実は一番気が合ったのかも？と思います。なぜなら、二人とも私に同じことをを教えてくれたから。二人とも教育者だったなぁ・・・。父と祖母が教えてくれたこと、たくさんあるけどここでは三つ紹介します。まず一つは、「まず自分の頭でものを考えろ」ということ。二人とも、何かあると私に「お前はどう思う？」と尋ねていた。はっきり言ってスパルタ的なトレーニングだったと思う。でもこの教育のおかげで、いつも「自分だったらどう思うだろう？どう行動するだろう？そして、もし自分が相手の立場ならどう思うだろう？」と考えるベースができた。それから、「何か人にして欲しいと思ったら、まず自分が先にお手本を示して見せろ」ということ。これも二人からよく言われたなぁ。それからいつも二人に言われたのは、「お前の言うことは、間違っていない。いつも正しい。でもその正しさが人を傷つけることがあることを覚えておけ。何か、正しいと思ったことを言う場合は、考えてものを言え」と。確かにそうやって叩き込まれて育ったことで、今の自分のベースができたことはありがたい。でも、そういうことばかり言われて育ったから、制御不能の思春期には、悩みましたよ。私の頭では、二人が教えてくれたことの、情報量があまりにも大きすぎて、どこから、何から始めればいいか順番がわからなくて、整理するのに時間がかかったのです。たくさんのことを一度に言われて、どうしたらいいか訳がわからなくて、最初に何を言ったらいいかわからなくなって、それで恥ずかしがり屋の引っ込み思案になったのです（子どもに教育しすぎです！）。でも歳を重ねながら、少しずつ気持ちの整理がつくようになり、父や祖母が何を私に伝えたかったのかを、おぼろげながら理解した時、「あぁ、なるほどなぁ」と思ったのです。自分の中で合点がいったのです。父と祖母の教えてくれたことと、私の心の成長が一致したのです。自分の心の中で、父と祖母の言葉を、咀嚼し、消化し、自分の言葉で父と祖母が教えてくれたことを表現することができるようになったのです。その結果、今では、みんなから「コミュ力高！」と言われる変幻自在のぶっ飛んだおばちゃん（よく妖怪と言われる）になり厚顔無恥になった。でも実は、恥ずかしがり屋のマーガレットだったのです・・・。あぁ、また呟いてしまった。いかんいかん。でも、今、何か似たようなことで悩んでいる人の手助けのヒントになりましたか？
　話を元に戻して、普通に「このバッグ可愛い」でお求めいただいても。材料費に結構お金がかかっているのですが、ダイヤドミナイズムは40%offの金額で価格設定しました。また、新年ということで、少しお安くしています（それでもこのお値段ですが）。持ち手のカフカリボン は、くしゃくしゃになって交換したいというのであれば交換可能です。3,100円ほどです。リボンの在庫がない場合はお取り換えはできません。また、バッグ本体と裏地は、手縫いで縫い合わせています。万が一、解けてしまった場合、お客さもの方で縫い合わせ可能だと思いますが、送料はいただきますが、当方での縫い合わせは無料です。お気に入りの作品に仕上がりました。

《使用糸》 ダイヤドミナイズム　ウール50％　モヘア21％　ナイロン29％
　　　　　シェットランド　ウール100%（英国羊毛100％使用）
　　　　　スペクトルモデム　ウール100％
《裏地》 リバティ（タナローン）　コットン100％　
《持ち手》 カフカリボン ドイツ製
　　　　　リネンテープ リネン100％　ドイツ製