丸底でかバッグ　冬に向かって咲くたんぽぽ（ブリティッシュエロイカバージョン）

　たんぽぽを好きになったのはいつからだろう？気がついた時には既にたんぽぽが好きだった。もちろんたんぽぽだけじゃなくて、お花はみんな好きだけど。そもそも花を好きなのは、地中に根っこをはり闇の中で根を伸ばしながら、地面に出てきて美しい花を咲かせるから。いつも思う。花が美しいのは、地中という闇を知っているからだと。
　もし、闇が闇だけだったら、自分が闇であることがわからない。もし、光が光だけだったら、自分が光であることをわからない。闇と光と両方あるから、闇は闇であることを知り、光は光であることを知るのだと思う。だから、地中の闇の中で、根をはり、地面に出てきて、光の中で花を咲かせる植物を美しいと思うのです。闇を知っているから、光の中で美しく咲くのだと思うから。
　昔、ネクラとかネアカとかいう言葉があった（今もあるのかどうかは知らないけど）ネクラというのは、どちらかというと人を中傷する言葉だったり、自虐的にいう言葉だったけど、ひねくれ者の私は、「ええっ、人間ってみんなネクラなんじゃない？」と当時、思ったのです。花が、地中の闇の中で根をはり明るい地上で美しく咲くように、「人間も自分の闇を見つめなければ、明るく、美しく、強く生きられないんじゃない？」と思ったから。自分の闇とちゃんと向き合った人は、見ればわかる。強さと優しさとユーモアがある。そして人の痛みに敏感である。そして、何かしら傷を持っている。そういう人たちをたくさん見てきた。
　だから、闇しか見えなくて辛いと思っても、光を探せば僅かかもしれないけどどこかに必ずあるはずだし、光の中にも僅かかもしれないけど闇はある。だから、もし、この文章を読んでいて、今、自分が闇の中にいて辛いと思っている人は、諦めずに光を見つけてほしいと思うのです。ちなみに私は、自分の中の闇しか見えなくなると、「シークレットガーデン」にたんぽぽを見に行く。たんぽぽは、「大丈夫だよ。元気を出して。私たちは闇の中から光の方へ歩んでいるよ」と言ってくれるのです。もちろん、たんぽぽだけじゃなくて、どの花もそう言ってくれるけど、私にとって一番身近で、元気をくれるのは、たんぽぽなんだなぁ。季節がいつであれ、たんぽぽを見ると私はとても嬉しくなる。「たんぽぽ、好き！」と。　　　　　
　そんなわけで、心はすでにもう冬仕様の私は冬糸でたんぽぽのポーチや、バッグなどを作り、9月からアップすることに。「冬にたんぽぽなんて咲くの？」と言われそうですが、そこはほれ、「シークレットガーデンは何でもあり」なのでよしとすることに。でも、ちょっと枯れた感じのたんぽぽを表現したかった。そこで、ひたすら、糸探し。糸の問屋さんからいただいた糸見本帳を見てもイメージ通りの糸がないので、ネットでしらみつぶしに調べて、野呂英作の「くれよん 」にたどり着いた。ここ２〜3年、ミックスヤーンや、段染め糸を編み込み部分に使うことにハマっていて（ベースにミックスヤーンや、段染め糸を使うのもマイブーム）、その流れで、たんぽぽの花も段染め糸にしようと。春夏糸の、ミックスヤーンのザンビアプリントという糸 でたんぽぽの花を編み込んだ時に、いい感じの仕上がりになったので、最初は冬糸でザンビアプリント に似た糸はないかと探していたのですが、なかなかなくて、ネットの「くれよん 」の色見本を見て、「どう色が出るか冒険だけど、とりあえず買ってみよう」と、糸を10玉一袋注文。糸が届いて見てみたら、思っていたより黄土色から茶色が多い段染め糸だった。少し、黄色が入っているので、バッグを編む時この糸で遊ぶのには良さげだなと。そこでバッグを編む時の試し編みでポーチを編んでみた。最初、ベースがソフトドネガル という、ツイードヤーン でポーチを作ってみた。結構可愛くできた。次に、ベースがブリティッシュエロイカで編んでみた。いい感じになったので、バッグを編みました。それがこの丸底でかバッグです。バッグの円周を60cmくらいになるように計算して編んだのですが、計算違いで円周80cmほどに。編み上がったバッグの本体を見て、円周80cmで正解だったなと。それにたんぽぽの色の出具合も、葉っぱの色の出具合もいい感じ。「ホント、何でたんぽぽってこんなに可愛いんだろう？」と、自画自賛。しかもウールなので、もふもふの毛糸の編み地を触っていると、幸せな気分になる。ライナスの毛布みたいなのかなぁ？いつまでも触っていたくなる感触です。しかも、編み込まれているのは、お気に入りのたんぽぽです。絶対ハッピーになれる！裏地もポップな感じのたんぽぽ柄です。持ち手のカフカリボン もたんぽぽ柄。絶対可愛い！
　毛糸で編んだ、お気に入りの作品に仕上がりました。材料費がそこそこかかっているのと、ミシンとお裁縫が苦手な私の腕も考慮したお値段です。ポッケは大きめのものを2つ。持ち手のカフカリボン がクシャクシャになって、新しいものと交換してほしいとのことであれば、有料になりますが、交換可能です。カフカリボン も、リネンテープ も、ちょっと高いです。合計3,300円（税込）ほどです。それに送料をご負担いただきます。但し、カフカリボン の在庫がない場合がございます。その場合は交換できません。ご了承ください。丸底なので、思っている以上にたくさん荷物が入ります。バッグ本体と裏地は手縫いで縫い合わせています。気をつけて縫っておりますが、使用頻度が高いと、縫い合わせた糸が解けてくる場合がございます。お客様の方で、縫い合わせ可能と思いますが、送料はいただきますが、縫い合わせは無料にて承ります。また、メンテナンスには可能な限り対応いたしますので、何かございましたら遠慮なくご連絡ください。ただし、故意によるものには対応できません。ご容赦ください。使用している「くれよん 」の糸は、グリーン系も、イエロー系も同じロットのものです。ロングピッチの段染め糸のため、色の出方が違います。世界で一つだけの作品です。なんだかほっこりするバッグに仕上がりました。元気になるバッグです！

《使用糸》 ブリティッシュエロイカ（英国羊毛50％以上使用）　毛100％　
　　　　　野呂英作「くれよん 」　毛100％
《裏地》 国産　綿100％　
《持ち手》 カフカリボン ドイツ製
　　　　　リネンテープ リネン100％　ドイツ製