巾着　『シークレットガーデン』へ飛び立つたんぽぽたち

　昔むかし‥と言ってもそんなに昔じゃない頃、両隣に民家がある空き地がありました。ずいぶん前から空き地になっていたので、その空き地が、たんぽぽのわたぼうしたちの間で話題になり、「あの空き地で咲こう」と、たくさんのわたぼうしがやって来るようになり、たんぽぽのお花畑になりました。「ここは住み心地がいいなぁ」と、たんぽぽたち。ある時、その空き地に、人間のおじさんたちがやって来て、測量をはじめました。たんぽぽたちは、「なんだろう？」と不安気味。そのうち、空き地の前に立て看板が。そう、その空き地に家が建つことになったのです。工事の人たちが「このたんぽぽをなんとかしなくちゃな」と言っています。このままでいると、重機が来て、地ならしされて、たんぽぽたちの命がなくなります。たんぽぽたちは「どうしよう？」とみんなで考えました。長老のたんぽぽが、「そう言えば、いつだったか、飛んできたわたぼうしが、『シークレットガーデン』というところがあると言っておったな」と話します。「そこは安全ですか？」とたんぽぽたち。「なんでも、どんな生き物も受け入れているところなそうじゃ。そこの住人は平和に暮らしているそうじゃ」と長老たんぽぽが言うと「じゃぁ、そこに行こう！」と全員一致で『シークレットガーデン』に行くことに。「でも、どうやって行けばいいの？どこにあるの？」と、一人のたんぽぽが長老に尋ねます。「昼間は、鳥たちが、夜は星々が、場所を教えてくれるそうじゃ」と、長老たんぽぽ。「じゃぁ、明日の夜、出発しよう」。みんな緊張していますが、「なあに大丈夫さ。星々に聞けばいいんだから」と、長老。そして出発の夜、たんぽぽたちは、根っこを緩めて、「せーの」と、天に向かって飛び立ちます。星々は「すぐ着きますよ。安心してください」と話しかけます。「歓迎してくれるかなぁ？」と、たんぽぽの一人が長老に尋ねます。「大丈夫じゃ。『シークレットガーデン』のあるじは少し変わった人間らしいが、悪いやつではないそうじゃ」と。
　そんなこんなで、勝手にお話を作り、一人で「私って本当にバカみたいなことを考えるなぁ。ホント、大バカ！」と大ウケしながら、巾着を作りました。『シークレットガーデン』を目指して、夜空に向かって飛び立つたんぽぽたちを表現した巾着の完成です。ベースは「ダイヤタンゴ」を二本どりで。２玉使いました。たんぽぽの茎の部分は「ダイヤコルソ」の二本どりで。たんぽぽの花の部分は「ザンビアプリント 」の二本どりで。花弁は「コットンコナ（廃盤色） 」で。裏地は、ホビーラホビーレ製の「ゴッホIII」（コットンローン・リバティのタナローン と同じくらいのお値段です）。革ひもはそこそこのお値段です。本当はもう少しお値段を高くしたかったのですが、裏地を縫い合わせる時少しずれてしまい、気になったので、その分お安くしました。ほとんど糸を二本どりで編んでいるので、少し厚みがあり、しっかりした作りです。たんぽぽたちの大冒険の様子がうまく表現されていて自分としては気に入っています。星々を表現するため、ラメの入った「ダイヤタンゴ」という糸をベースに使用しているので、キラキラ光って綺麗です。洗濯は、革ひもを外して。おしゃれ着用洗剤でネットに入れて手洗いで大丈夫ですが、糸の風合いは損なわれる可能性があります。裏地もゴッホの夜の風景を描いた絵をコラージュした柄で、いい感じです。お出かけが楽しくなる巾着です。ちょっとそこまでにも。

中にエアクッションを詰めて撮影しています。

《使用糸》 ダイヤタンゴ　綿45％　アクリル50％　キュプラ３％　ポリエステル2％
　　　　　　ダイヤコルソ　麻33％　アクリル35％　レーヨン32％
　　　　　　コットンコナ （廃盤色）　綿100％　
　　　　　　ザンビアプリント 　オーガニックコットン100％
《裏地》　　コットンローン　ゴッホIII ホビーラホビーレ製
《ひも》　　革ひも（国産）（絞った時の長さ　約24cm）