いい ちいさな ものづくり

akkaの手描き服 ー和の花を纏う。世界にひとつの手描き服。

ふわりと羽織れば、凛と、心が華やぐ。「akkaの手描き服」の絵付け師・三宅あすかさんが一筆一筆絵付けして制作する「花を纏う服」には、毎日でも着ることのできるような和柄へのこだわりが詰まっています。その魅力を紐解きながら、初夏に映える美しい作品をご紹介します。

迷いの日々、友禅染めの工房へ導かれ、始まる手描き服。

洋服に絵付けを施すakkaさん

美術大学の卒業が迫る頃、気が付けば周りは皆就職が決まっていました。「どうしたらいいのか...」進路に迷いながら校内を歩いていると、掲示板に藁半紙が貼られ、風にはためいていたのです。何気なく見てみると「着物工房 研修生募集」という張り紙でした。その日のうちに大きな卒業制作を抱えて夜行バスに飛び乗り、京都・嵐山へ行きました。そしてあっという間にそこで働くことになりました。

工房では月の半分はお客さまの呼び込みをして、あとは絵を描いて良いと言われました。その道一本の先生方(職人さん)に「浜っこ!」と呼ばれながら(横浜出身です)、初めはひたすらハンカチに絵を描いていました。着物の世界は分業制なので色々な先生がおり、中でも下絵の「草稿」を担当する、一番絵の上手な一番ボロボロな仙人のような先生がいました。梅を描けばぽてっとして美しく、すごいなぁとよく見ていました。

そんな日々が3年間続き、絵を任せてもらえるようにもなりましたが、悔しいことも沢山経験しました。着物の世界にリスペクトはあるけれど、ずっとここでやっていくのか?自分の未来に限界を感じ、大好きな和のモチーフを自分なりに展開してみたい、本当に自分が着たい服を作りたい、という想いから手描き服のブランドを始めました。

洗練されたかたち、丁寧な縫製を求め、タイの縫製屋さんと出会う。

縫製屋さんのケットさんファミリーと

一歩間違えるとほっこりしすぎてしまう手描きの服。ボディのデザインには特に気をつけています。身に纏うと洗練された印象に、凛とした感覚になる、そんなかたちを目指しています。起こしたパターンはリネンやコットンの素材と共にタイ・チェンマイの縫製屋さんに送り、お洋服にしていただいています。

チェンマイには大きなマーケットがあり、世界中からものづくりに関わる人々が来ます。そこにある縫製屋さん、ケットさんファミリーに長い間お世話になっています。とても丁寧な仕事をされる方で、相談をすれば「Asukaが言いたいのはこういうことでしょ」と全て汲み取ってくれて、シャツ1枚から縫ってくれる。心強いパートナーです。娘が中学校へ上がる前のお休みには一緒に会いに行きました。

和にも洋にも感じられる、美しく繊細な絵付け。

筆で絵付けを施す手元

縫い上がった服に1点1点絵付けをしていきます。顔料5色を混ぜて色を作り、モチーフの色や配置を決める基準は、まずは自分が着たいかどうか。モチーフは和柄なのですが、配置次第では洋風にも見え、若い人でも取り入れやすい「粋な姿」を想像してデザインを考えています。定着剤を混ぜているので、ネットに入れてご自宅でお洗濯しても大丈夫です。

日本人に脈々と受け継がれてきた、様々な意味を持つ和柄。手描きの温もりと大胆さを体感できる、特別な一着になれば嬉しいです。

▼さらりと羽織りたい、乱菊模様のロングブラウス

【手描き乱菊柄】ソフトワッシャー・ロングブラウス

華やかな菊の花が描かれたロングブラウスは、夏は日焼けや冷房対策の羽織りものに、春秋はワンピースにと、長く活躍してくれます。振袖の模様としても描かれる縁起のいい菊の花ですが、ブラウスの上で舞う美しい黄金色の葉柄にも目を奪われる作品です。

▼初夏の爽やかコーデに、牡丹柄のリネンドレス

スタンドカラーシャツドレス 更紗・牡丹

淡いうぐいす色のリネンで作られたシャツワンピース。たっぷりとした身幅は着るとコクーンシルエットに、袖はドルマンスリーブで着心地楽ちんなデザインです。グリーンで統一された華やかな和更紗の牡丹柄が映えて、ゆったりとしつつ洗練された、初夏の大人のコーディネートに。

▼涼やかブルーの唐草模様で、さりげない和柄を楽しむ

ボトルネックTブラウス<手描き唐草模様>

ほどよくエアリーな生地が涼しげなボートネックのブラウス。青い唐草模様の鮮やかな絵付けは、花から蔦、葉へと繋がるグラデーションにうっとり…。美しいだけでなく、背中のタックやスリットなど嬉しい工夫が沢山。これからの蒸し暑い季節も涼やかに過ごせそうですね。

▼モノトーンでモードに着こなす牡丹柄

比翼仕立てノーカラーブラウス【手描きグレー牡丹】

上品な透け感のある黒のソフトワッシャー生地に、グレーの牡丹。和柄でありながらモードな雰囲気を楽しめる一着です。比翼仕立て、ノーカラーですっきりと洗練された着こなしに。カーディガンやジャケットのように羽織るのにもおすすめです。

孤独な作業も多いものづくり。「オーダーが入ると”私が好きなものを好きな人がいたんだ!”と嬉しくなって、孤独が無くなるのです」と語る三宅さん。「akkaの手描き服」には、和柄への熱い想いと、本当に着たい服作りへの真摯な姿勢が詰まっています。美しい手仕事の一着との出会いをどうぞお楽しみください。

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2024年5月16日


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