丸底ちびちびバッグ　秋に向かって物思いに耽るたんぽぽたち

　ビオラの巾着と丸底でかバッグを編み、「はて？次に何を編もう？」と思っていたら浮かんだのはやっぱりたんぽぽだった。「相変わらずたんぽぽですか？」と言われそうですが、永遠のテーマなので、仕方がない。
　冬糸で編みたい、と。まず浮かんだのが、ダイヤドミナという段染め糸のブルーパープル系の糸。この糸をベースに「夜のたんぽぽを編もう！」と、まず、ポーチを編んでみた（そのうちにアップします）。悪くはないけど、「この糸でバッグを編むなら別の模様がいいんじゃない？」と思い、次に浮かんだのが、ソフトドネガルというツイードヤーン 。糸を見て浮かんだ、たんぽぽの図案を、頭の中で組み立てたら、ハッピーな気持ちになった。「よし、ポーチを編もう！」と、編んでみたら、ポーチにするには大きすぎた。「それなら、丸底ちびちびバッグにしよう！」と。ワンちゃんのお散歩の時や、ちょっとそこまでに良さげなバッグを！と思いながら、リネンテープ の残りや、中途半端に残っていたたんぽぽの生地を使って、仕立てました。いい感じです。
　このちびちびバッグを編んでいた頃、理不尽なことが立て続けに起こり、さすがのあるじも、「あ〜ぁ、めんどくさ」と、少しばかり悩んでもみたのですが、悩んでも何も出てこないこともわかっているので、そんな時のあるじのいつものお約束（あくまでもあるじの場合です）「ルーティンをこなそう！」と。メンタルが弱った時は、ソファに横になって休んでぼーっとしているのもいいのだろうけど、あるじの場合、余計落ち込むので、そういう時は、いつも通り、ルーティンをこなしていつもと同じように過ごしているうちに、メンタルもルーティンの流れに沿って、気持ちの滞りが解消されるので、「あ〜ぁ、ヤダヤダ」と言いながら、日々の家事をこなし、ニットをしていたら、「まぁいっか。どうでもいい。考えるだけ無駄」と、気持ちが整ってきたので、次々とたんぽぽシリーズを編んでいた。
　落ち込んだり、嫌なことがあった時、気持ちを整えるために、友だちに相談してもいいけど、自分の負の感情がもろに出てきて、あとあと尾を引いて、いろんなところに飛び火して、かえって問題がこじれる場合が多い。だから、人には伝えないほうがいい時もある。それに還暦を迎えたおばちゃんのあるじくらいの歳になると、自分の中で、対処する方法も既に持っている。こういう知恵も、若い時に悩みに悩んだから獲得できたのです。だから、若い人たちには「悩めるだけ悩んで欲しい」と思うのです。そうすると、たくさんの引き出しを持てるから。そして対処の仕方も年と共に自然に身につくのです。そして、悩んでいるうちに自分の本当にやりたいことも見えてきます。生きる上で必要なことも身につくのです。
　私にとって、ニットをするということは、生きることにつながっています。刺しゅうをすることも。他の様々な家事や、いつの間にか増えたたくさんの趣味も。昔は、逃げ道をたくさん作れと言われると、余計に悩んだけど、悩んだ結果、逃げ道がたくさんあるっていいなぁと思えるようになった。そして、いつの間にかたくさんの引き出しを持てるようになった。今悩んでる人へは、悩めるだけ悩めと言えるのも、自分がかつて悩み多き人で、なんとかそこを乗り切ることができたから。そしてなんとかなることがわかったから。
　ちなみに、このバッグも「たんぽぽだってたまには悩むわ」と思い、「秋に向かって物思いに耽るたんぽぽたち」というタイトルにしましたが、たんぽぽは、やっぱり元気な花なので、仕上げてみたら、生命力にあふれたバッグに仕上がりました。たんぽぽは本当に元気だ！あぁ、また前振りが長すぎた。申し訳ない。

　ベースのツイードヤーン は、チクチクした感じはなく、あるじお気に入りの定番の糸。ここ数年で随分値上がりしています。編み込みに使用した糸は、スペクトルモデム と、シェットランド。たんぽぽの部分は、ザンビアプリント （廃番）とシェットランドの二本引き揃えで。裏地と、持ち手のリネンテープ は、中途半端に残っていたものを使いました。相変わらずミシンとお裁縫が苦手な私の腕を考慮した価格設定です。また、バッグ本体と裏地は、手縫いで縫い合わせています。万が一、解けてしまった場合、お客さまの方で縫い合わせ可能だと思いますが、送料はいただきますが、当方での縫い合わせは無料です。また、メンテナンスには可能な限り対応いたしますので、何かございましたら遠慮なくご連絡ください。ただし、故意によるものには対応できません。ご容赦ください。お気に入りの作品に仕上がりました。
　また、以前記載したと思いますが、私はよくいろんな方から「編み物を教えてください」と言われるのですが、体力がない上に、ニット以外にもしていることがあり、応じるのが無理なのでお断りしています。その代わり、ネットにアップした作品に使用した糸の種類は出来るだけ詳しく記載しています。とは言っても、あまり詳しく書くと勉強にならないので、糸の種類だけ記載して、あとは調べてくださいという感じです。ある程度ニットをやっている方なら、調べればわかるという範囲内です。編み込み好きが増えるといいなぁと思いながら記載しています。

《使用糸》 ソフトドネガル（イギリス製）　ウール100％
　　　　　シェットランド（英国羊毛100％使用）ウール100％
　　　　　スペクトルモデム ウール100％
　　　　　ザンビアプリント（廃番）オーガニックコットン100％
《裏地》 国産コットン100％
《持ち手》 リネンテープ （廃番）リネン100％
　　　　　リネンテープ リネン100％　ドイツ製