特選一点物／栃変杢丸形凹面被蓋刳物 No.517

◯とちかわりもく まるがた おうめんかぶせぶた くりもの
◯トチノキ（栃ノ木）の大木で、縮み＋スポルトという面白くかつ希少な材。色の淡い部分がノーマルなトチの肌合い色合いですが、濃いところと小さな黒点は、木が山中に生えていた段階でキクイムシがつき、そこから変色したもの。そのまま放置しておけばもろくなってしまい加工できないのですが、程よいところで木が台風で倒れたので、板に引いてもらいました。
◯黒点と濃色の帯がよれている感じが、ちょうどなにか得体の知れない生き物のようで非常におもしろいです。黒点が眼のようです。こういったスポルト材との出会いは偶然でしかありません。山形県鶴岡市産。
◯写真ではわかりにくいですが、蓋の上面はわずかに凹みになっています。側面も垂直ではなくわずかに下方がすぼまったかたちです。
◯こうした品物はまず先に材料があって、そこからどこをどのように切り取って加工したら、その材料がいちばん映えるかを決めるので、形状や大きさなどはそのつど異なる、まさに一点物です。
◯せっかくの貴重な銘木の真価をそこなわないように、装飾的要素は極力抑えています。腕（職人としての技術）ではなく、無垢の木という材料自体の魅力そのものを楽しんでいただきたく思います。
◯当工房がギャラリー（画廊）などで個展を行う際の出品物となりうるような完成度を目指しています。
◯大きさは直径111mm、高さ38mm、実の深さ23mm。仕上げはウレタン塗料による半艶塗装です。
◯専用の布で包み、専用の箱に入れてお渡しします。