特選一点物／栃縮杢方形合蓋刳物 No.538

◯とち ちぢみもく ほうけい あわせぶた くりもの　No.538
◯ 天地左右全面に縮杢が出た４寸角（断面が12cm×12cm）余の材料自体とても驚きですが、これをまず二つに分離します。それでできたのがNo.537とNo.538です。
◯それから蓋と実をそれぞれ彫り込む（刳る）のですが、元は一木であることを示すために、合わせ目の凹凸は必要最小限としました。ここの段差を大きくとるとせっかくの木目がそのぶんずれてしまいます。
◯こうした品物はまず先に材料があって、そこからどこをどのように切り取って加工したら、その材料がいちばん映えるかを決めるので、形状や大きさなどはそのつど異なる、まさに一点物です。
◯丸い形（点対称）であれば木工旋盤（ろくろ）に材料を取り付けて回転させ、専用の刃物で削ることができますが、非円形の刳物の場合はそれができないため、加工に倍以上の手間がかかります。
◯刳物は、薄板のそれぞれのパーツを組んで作る指物（さしもの）とはまた違った魅力があります。材料の大半は削り屑となってしまうので、とてもぜいたくな品物とも言えます。
◯せっかくの貴重な銘木の真価をそこなわないように、装飾的要素は極力抑えています。
◯サイズは幅130mm、奥行130mm、高さ81mm、実の深さ32mm。仕上げはウレタン半艶塗装です。
◯専用の布で包み、専用の木箱に入れてお渡しします。