月明かりが辺りを包み込み、虫の声がビコの高ぶる気持ちをおちつかせます。
スローモーションのように家を出たビコは牛小屋へ、牛小屋へ入るとてっきり横になって寝ていると思っていた牛たちは「こんな時間に餌?」と勘違いして牛たちは次々に立ち上がりました。
困ったビコは、飼い主がこの日収穫した梨の入ったコンテナを一箱持ち出し、全ての牛に配り、そして最後に子牛を見つけました。
他の牛たちは梨を食べると落ち着いた様子で、二頭三頭と横になり始めました。
今だ!と思ったビコは、子牛に繋がれている紐を解き他の牛たちに「おやすみ~」と囁きながら、とうとう子牛を牛小屋から外へ連れ出しました。
ビコも子牛ももちろん初体験、ドキドキ・ワクワクが止まらまいままその場を逃げ出すように全力で走り出しました。
しばらくしてビコは自己紹介をして、子牛の名前をポゥーと泣いていたので 「ポゥー」と呼ぶことにしました。
牛小屋を出てからかなりの距離を歩いてきたビコは、腹が減っていることに気付き
腰を下ろしてポッケからパンを取り出すと、半分にちぎりポゥーに差し出しましたが「食え~ん、、、」
困ったビコは辺りを見渡しました。
道から少し外れた所にあったトウモロコシ畑を見つけました。
そしてトウモロコシを三本ちぎり、ポゥーに与えるとペロリとたいらげました。
一服したところで立ち上がろうとポゥーを見ると、ポゥーのまぶたはゆーっくりと下がり、鉄のカーテンに突き刺す様な鋭い目でビコを見て、視線はそのままトウモロコシ畑へ、、、悟ったビコは、トウモロコシを持てるだけ持ってポゥーに与えました。
ビコとポゥーは再び歩き始めました。
緩い坂を下って行くと次第に虫の声が無くなり、田畑が無くなり、夏夜の蒸し暑さも徐々に消え 空気は一変!。
地鳴りの様な低ーい ゴーーー とゆう音。
つつ”く
作品のパーツ(ビコ・ポゥー・植物)は接着していませんので、方向は自由に変えられます。
作品の全てに、5分程度艶を落した少しぼけた感じのウレタンクリヤーをコートしています。
《 サイズ 》
縦30㎝ 横21㎝ 高さ18㎝
※この作品は受注制作となりますので、お支払確認後2週間のお時間を頂きます。
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